不動産取得の心得(中古編)

KNOWLEDGE不動産取得の心得(中古編)

中古住宅を購入しようと思ったら、一番最初に何をしたら良いと思いますか?
まずはネットで物件を探してみる?あるいはどれだけの資金が必要か計算する?
実は、一番最初にすることとして最も大切なことは「心のモヤモヤを整理する」ことなんです。
今回は、不動産取得を成功に導くための心得を5つのポイントでご紹介します。

KNOWLEDGE01

「家」と「お金」の関係を知る

「大きな借金を背負うのが怖い」「本当に今が買い時?」など、みなさんが抱く不安要素の第1位が「お金」のことなの ではないでしょうか。お金には様々な要素が絡みますが、第1ステップの判断をする上で抑えたいことは「居住性」と「資産性」についてです。

資産性とは?

ポイントは「将来その中古マンションの価値が、ローン残債を上回っているかどうか」ということです。
中古物件は築年数経過とともに価値が下がりますが、住宅ローンの残債を割り込まなければOK。
たとえば、4000万円で購入した中古マンションが10年後に3000万円の資産価値となったとしても、その10年の間にローンの残債も減っています。中古マンションがローン残債よりも高く売れれば良いと考えることができます。

居住性とは?

ポイントとなるのは「現状とほぼ同額の負担で、今より広い、あるいは住みやすい家を手に入れられるかどうか」ということです。
たとえば、現在家賃11万円(45平米)の賃貸マンションに4人家族で住んでいる場合。4000万円の中古マンション(70平米)を、35年1%の固定金利という住宅ローンを利用して購入すると、月々の返済額は11.3万円となります。つまり、現在の月々の家賃と同程度で高い居住空間が手にいれられるということになります。

「購入」という判断をする上で
まず大切なのは

  1. 資金に無理がないか
  2. 賃貸に暮らすより生活レベルが上がるか
  3. 将来売却時のリスクヘッジが可能か

これらの3つをクリアできれば、「お金」に対する不安はひとまず落ち着かせることができます。


KNOWLEDGE02

住まいに「一番大事なこと」を
決める

2つめのポイントとしては、家族と自分にとってのいい家とは何かを具体的に決めておくこと。
「いい家があったら買いたい」という漠然とした思いではなく、条件がいくつ揃えば買う、そうでなければ買わないなど、しっかり自分で線引きをしておくことが、良い物件に出会ったときのスムーズな判断にとても役立ちます。
条件を考える際には下のような表を利用してみると便利です。
自分や家族が希望する項目を当てはめて考えてみると優先順位が整理しやすくなります。


KNOWLEDGE03

将来の見通しを立てる

将来の見通しを立てることも大切です。結婚や仕事、子どもや親の介護など、ライフイベントに応じて家計の収支も影響を受けます。自分で1つ1つを組み立てていくのが面倒な場合は、インターネットを利用するのも便利です。
いくつかの質問をすればライフプランをシミュレーションしてくれるサイトもあるので、試してみると将来のイメージが具体的になってくるはずです。特に子どもの大学入学時期など教育費がかさむ時期に家計が厳しくなりがちです。
無理なくローンを返済していけるかどうかも含め、何度か条件を変えてシミュレーションすると、見通しを立てやすくなるでしょう。
もちろん、必ずしも未来が想定通りに行くとはかぎりません。しかし、具体的にどう動くべきかがリアルに見える分、漠然とした不安から心が解放され前向きな気持ちでプランを組んでいくことができます。


KNOWLEDGE04

借りても良いお金の額を決める

次に、具体的な予算を決めます。銀行などの住宅ローン、長期固定金利のフラット35、親・祖父母からの贈与など、自分たちで準備できるお金はどういったものがあるかをリストアップしていきます。
その上で、自分の「無理なく返せる額」から「借りても良い額」を計算することが大切です。
また、中古住宅を買う場合に金融機関が重視するのは「その物件にいくらの担保価値があるか」というより「借り手がいくら返せるか」ということ。
自分がいくらの融資が受けられるか見当もつかないという人は、荒技として買っても良い物件で金融機関のローン審査を受けてみるというのも1つの手です。
自分のだいたいの与信枠もつかめる上、もし審査が通ればその既成事実で同程度の別案件で、売買交渉をスピーディーに進められる可能性が高くなります。


KNOWLEDGE05

自分に合う「中古住宅スタイル」を決める

中古住宅と一言で言っても、マンションなのか戸建なのか、そして築年数や維持管理状態など、個々の物件によって様々な違いがあります。自分の希望にもっとも近いスタイルを想定しておきましょう。
また、現時点での傷み具合や自分のこだわりに応じたリフォーム、リノベーション費用まで見積もっておくことが必要になります。

購入方法は3つ

  1. 買ってそのまま住む
  2. 業者によるリノベーション済み物件を買う
  3. 買って自分でリノベーションをする

1番多いのは1つ目の「買ってそのまま」なパターンですが、最近では自分の個性をもっとも自由に反映させやすい3つ目の「自分でリノベ」する人も徐々に増えています。
リノベーション費用は平均的には1平米あたり10万〜20万円ぐらいですが、大掛かりな変更が必要な場合には、物件価格を大きく上回る改修費用が必要な場合もあります。

心を整理すれば
買いたい家が見えてくる

良い中古物件は予想以上に早く買い手がついてしまい、二度と同じ物件に出会うことはありません。つまり、中古物件の購入では、新築を買うとき以上にスピーディーに様々な決断を求められるのです。そのために大切なのがあらかじめしっかりとした判断基準を自分の中に持っておくということ。心を整理し、条件をしっかり決めておけば時間のない中でも冷静に価値ある物件を選ぶことができます。住宅購入の準備は、素敵な物件に出会う前から始まっています。ぜひ今から始めてみませんか?

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