家の「価値」を10年後まで落とさないためには

家の「価値」を10年後まで
落とさないためには

マイホームの住み替えを検討するのに欠かせないのが、その家の資産価値。
今だけでなく10年後まで価値を落とさない家とはどんな家なのか、また落とさないように今どんな工夫をしておくべきなのか。住まいの「価値」についての具体的な算出方法と、その考え方のポイントをご紹介します。

マイホームを住み替えてしまう理由

マイホームを購入したにもかかわらず、数年後には売却して違う場所に住み替える人もいます。
夢のマイホームであったはずなのに、住み替えをするとは不思議に思う人もいるかもしれません。このような住み替えの理由として多く挙げられるのは、「子供の誕生・成長に併せて住み替えたくなった」というものです。
子供が2人いる場合、思春期を迎える頃には、それぞれ部屋が必要になります。衣類や勉強道具も増え、それまでの収納では追いつかなくなったため、クローゼットや本棚を追加で購入する場合もあるでしょう。
また、マンションを購入したものの、実際に住んでみたら戸建ての方がいいと感じる人や、反対に戸建てよりも最新設備の整ったマンションの方が便利と感じる人もいます。マンションは管理費がかかるので、戸建てがいいという意見や、住み始めてみたら、立地条件がいまいちであったというケースもあります。
そのほか、通勤先が家を建てた頃と変わったり、子どもの学校が遠くなったため、通勤通学にかける時間や手間をなくしたいという理由もあります。
現在、中古マンションの価値を上げる、リノベーションが流行しています。新築マンションよりも割安なのに、好立地で好眺望、新築マンションなみの設備が整っている物件も増えていることも、住み替えが増えている要因と言えるでしょう。

住み替えプラン・住み替えローンの実状

住み替えをするには、これまでの住宅ローンの返済はもちろん、新しい家を持つための金銭的な工面が必要になります。アベノミクスで景気がよくなったと言われていますが、今後も景気が安定し続けるとは限りません。どのような経済情勢になっても、子供の成長など家族の変化に伴う出費は必要になります。
住み替えで大切なのは、「借入金額を増やさないこと、返済期間を延ばさないこと」です。住み替え以前の住宅ローンと、新居の住宅ローンを支払う2重ローンを極力しないために、買いと売りのタイミングをつかむ事が重要となります。2重ローンは、実質的に借り先が複数になるため、先行きの見通しを考える余裕を作る必要が出てきます。ある意味では、新築を一軒買うよりも難しいかもしれません。
場合によっては、新たに購入する自宅の資金の他に、現在居住している自宅の借入残高と売却価格の差額をあわせて借入ができることもあります。しかし審査もあり、長期的なプランが必要になります。

「住める家」を考えよう

住み替えを検討する前に、もう一度考えてほしいこと


  • どうして家を売りたいのか?
  • 買い替える以外にクリアする方法はないか?
  • 買い替える場合はどのような物件がいいのか?

細かいチェックをする事で、住み替えローンの運用から、準備金などの金銭面だけでなく、精神的な余裕や理想の追求にもつながります。ローンを組んで、返済金額を左右するのは、ある意味簡単ですが、具体性を伴ったプランがあるのとないのとでは、金額の動かし方・活かし方に大きな差が出ます。
住み替えのために、ローンを組んで金銭的な工面をする以外にも、今の住まいを理想の住まいへ住み替える方法があります。それがリノベーション。自身にとっては「住めない事はない家」を住みたい家と考えることや、価値を高めて第三者に引き渡すという方法です。

中古なのに評価の高い家とは?

「中古住宅の価値はどういう計算になるのか」という疑問を持つ人も多いことでしょう。「マイホームは資産のひとつ」と考える人も多いですが、では、具体的にどのくらいの価値があるのか知っている人は少数派と思われます。自分の家の資産価値はどの程度かということを気にはなっていても、現時点のものはよく分からないというのが実際のところのようです。

住まいの価値を計算する方法


不動産関係者内で扱われる計算式は存在します。それは「不動産鑑定評価」とよばれる不動産価値の算出方法のことで、土地や建物等の不動産の合理的な価格を、不動産鑑定士が評価します。特に土地は、移動させられないといった物質的特性から一般の商品に比べて合理的な価格が形成されにくいことから、不動産鑑定士が評価を行い、売買金額や税金計算の参考基準を示します。実際の不動産売買価格を試算する方法には、大きく以下の3種類があります。


  1. 原価法
    対象不動産の再調達原価を基に不動産を鑑定評価する方法です。対象の不動産を、仮にもう一度建築・造成した場合にいくらになるか(再調達原価)を割り出します。
    次に、建築後の経過年数による価値の低下を割引いて(減価修正)現在の価値を推定します。これは、対象不動産が建物または建物と土地の場合、再調達原価の把握と減価修正を適切に行なうことができる場合に有効で、対象不動産が土地のみの場合でも、新たな造成地など再調達原価を適切に求められる場合には適用可能です。
  2. 取引事例比較法
    現在、中古住宅の評価方法として一般的に行われているものです。対象不動産と条件が近い物件の取引事例を多く収集し、いつくかの事例を選択し、取引価格の事例から必要に応じて対象物件の事情補正や時点修正を行います。その上で、地域要因や個別的要因を含め比較評価します。鑑定基準では、売り急いだ物件や投機的な物件などは事例から排除します。
  3. 収益還元法
    対象不動産が将来生み出すであろうと予測される純収益の現在価値の総和を求めることによって、対象不動産の試算価格(収益価格)を求める手法です
    この方法は、賃貸用不動産、賃貸以外の事業に要する不動産の価格を求める場合に特に有効で、取引事例比較法や原価法と比べ、合理性が高い方法と言えます。しかし、過去の運用履歴とその数字の信頼性が前提となるため、対象不動産の販売会社から提出された資料の妥当性を精査する必要が出てきます。収益価格を求めるには、下記の2つの方法があります。
  4. 直接還元法
    一定期間(通常は1年間)の純収益を還元(還元利回り)で割り、100を掛けて収益還元価格を求める方法です。
    不動産を長期に保有する場合に適しており、還元利回りの選択が重要になります。
    対象不動産の収益価格=一期間の純収益÷還元利回り
  5. DCF法
    対象不動産の保有期間中に得られる純利益と期間満了後の売却によって得られると予測される価格を、現在価格に割り戻して合計する方法です。

直接還元法より予測の精度を高めたものとなっていますが、特殊性が濃く、内容も複雑です。不動産の証券化に関する鑑定評価等で期毎の説明をする際には、DCF法を適用し、あわせて直接還元法を適用して検証を行うことが適切と言われています。

「収益性」を考えると、こうした計算から「人気の立地は値下がりしにくい」「マンションなら戸数もある」という一般論に落ち着くかもしれません。しかし、「収益性」を優先で考えた場合も「価値」の決め手にはならないのが実状となっています。

人気の立地にある物件を賃貸として運用する事を考えれば、よほどひどい物件でもない限りいつか借り手が見つかるのではないかと思われます。しかしその賃料が期待した収益を上げてくれるかどうかはわかりません。人気の立地である分、床暖房や防犯、耐熱などの機能的な面に対するパフォーマンスが高くなるためです。年月が経つに伴い、物件も劣化するため、賃貸を検討する場合は設備投資の準備をする事も必要となってきます。

もしも、経済情勢や借り手のニーズの変化により、想定外の安い賃料になってしまった場合、それまでかかっていた維持費や税金、さらには住宅ローンの返済や建物の価値の目減りを考慮する必要もあります。最悪の場合、収益を得るどころか、「赤字」となってしまうことも考えられるのです。

住まいの「価値」を考える

住まいの価値を考える場合、価値計算という知識以上に、どんな利点を持った家かをじっくり考えることも大事です。上記で上げた3つの計算式では、住まいの履歴書を作成するようなもの。そこで現在、履歴書だけでは分からない、良いところ、悪いところ、それが売り手にも買い手にも明確になる専門業務・公認ホームインスペクターと呼ばれるスペシャリストによる評価が注目されています。

ウォークインクローゼット

ウォークインクローゼットは文字通り、「歩きながら収納できる」クローゼットのことで、3帖以上の広さがあることが一般的です。衣類のほか、スポーツ洋品やアウトドア雑貨、ペット用品や折りたたみ自転車等、大きな荷物もすぐにしまうことができます。

公認ホームインスペクターとは?


第三者的な立場から、住宅の劣化状況や欠陥の有無を徹底的に調べ、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行う専門職です。既存の中古物件流通のスタイルでは、実現の難しかったレベルでの資産価値の見直しができるだけでなく、リノベーション時の費用や期間の算出についても相談できます。
住み替えの理由や住宅環境の見直しは、誰しも起こりうることです。そんなときに重要なのが、住宅の総合的な「価値」です。そして、価値は元々の素質だけでなく、リノベーションによってより高い価値を生み出す事ができるのです。

欠点を利点に変えられる
リノベーション

自身の老後の為の投資として、マイホームを資産に持つ人もいます。そのような時も、どんなマイホームなら価値を落とさないか、といった漠然とした要望にもリノベーションは役立ちます。リノベーションの考え方は、「古い」という欠点を、高い品質と希望実現度を以て補い、別次元の理想へと昇華すること。リノベーションは、資産として安心出来る住まい、土地活用のノウハウを持った空間デザイン、家を買う方・持つ人すべてが考える不安や悩みを様々な切り口で変化させる事が可能なのです。

動画で学ぶ 不動産購入

  1. 5W2Hで考える住宅購入ガイダンス
  1. ②5W2Hで考える住宅購入「考える順番」
  1. 5W2Hで考える住宅購入 WHO、WHY編
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  1. 5W2Hで考える住宅購入 When,HowMuch,How,When版です

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