後悔しないマイホーム 失敗から学ぶリノベーション

後悔しないマイホーム 失敗から学ぶリノベーション

「夢のマイホーム」という言葉があるように、マイホーム購入は人生の中で大きな意味を持つものといえます。今後の活力を生み出す力にもなる一方で、想定していたものと違った、住み始めたら不満が出てきたなど、「こんなはずじゃなかった」という後悔する人も少なくありません。今回はその中から特に多い悩みとその対応法について紹介します。

いい業者はなぜ見つからないのか

住まい計画の初期段階、業者選びや見積もりの際にトラブルになることもよくあるケースです。具体的には、「相見積もりをしていたが、どこの業者も取り合ってくれなくなった」「見積もりの記載によくわからない点が合ったのに放置していたら、思いがけない請求をされた」というものです。

相見積りは、一つの工事について複数の業者から見積もりを出させて比較すること。この方法を推奨する書籍も専門雑誌も多いのですが、実際のところ、デメリットをしっかりと掘り下げている文献は非常に少ないのが実状と言えます。敷居の低い交渉として捉えられすぎて、大きな騒動になる事もあるのです。

相見積りは、多くの場合、正規のサービスの一環ではなく、個人的なクライアントとの交渉術のひとつです。業者の合意も必要ですが、業者のキャパシティをあらかじめ見極めておくことも必要なのです。

大きな買い物であるマイホームの見積もりは、業者の規模や人気度、要求される形態によっては、業者にとって圧力となる場合もあります。そのラインを見極めず交渉を進めると、良い業者であればあるほど、早い段階で施行を断る事もあります。

相見積もりは一時期、悪徳業者を牽制する意味で重要視されてきました。しかし、近年では、相見積もりを実施する双方の譲り合いがより高度な交渉を必要としているため、質の高い結果を生みづらくなっています。業者に無理な依頼をゴリ押しした結果、安くていい物件になるどころか、安物買いの銭失いになってしまうことも考えられます。これらのデメリットを知った上で、相見積もりはよく考慮し、行った方が無難でしょう。

また、見積もりと最終的な請求や最終的なコストが異なる場合もあります。しっかりと見積書を読み、分からない事が合ったら確認することも大事です。この点は、予算・工期に納得がいかないという失敗を防ぐ事にもつながります。

こんな見積書には注意

大きな金額が明記されている見積書。わかりにくい専門用語が書かれたものもありますが「業者が作成したものだから」と内容をうのみにしてしまうケースもあるようです。

気を付けたいのは、見積もりの金額に難色を示した場合、大幅値引きをするリノベーション業者です。住宅プランには、初期の見積もりで、予算をオーバーしていると言う事がよくあります。そんな時、「ご厚意です」という根拠のない理由で、いきなりの大幅値引きをしてくる業者には注意が必要です。最初から値引き分の利益を上乗せしておいて、客の前で大幅値引きし、お得感を演出するという業者の狙いもあります。最悪の場合は、値引いて安く見せた分を後に追加工期して、そのぶん請求されるということもあります。

予算オーバーをした時、根拠のない値下げよりも、「こうすれば費用が下がります」 と言う具体的なローコスト提案や、コストダウンによるデメリットを詳しく説明してくれる業者は信頼できます。

良いことばかりしか言わない業者

リノベーションするにあたり、性能や費用面など、すべてが納得いくケースは極めて低いでしょう。大なり小なりデメリットがあるのが普通です。

にもかかわらず、プランや材料の説明をする時、良いことしか挙げないリノベーション業者は要注意です。どんなプランや材料にも、デメリットは存在するからです。

窓を増やしたり大きくするリノベーションが希望であったとします。風通しよく通気性に優れ、日照を多く取り入れるため、明るい部屋になるというメリットがありますが、断熱性能や耐震性能、防犯対策や外壁補修費用などの面でデメリットがある可能性もあります。

フローリング材にもそれぞれ一長一短あります。表面強化タイプは水や薬品に強いのですが、風合いを活かしたノスタルジックな部屋には不向きです。木の風合いが素晴らしい無塗装タイプは、水や薬品に弱いというデメリットがあります。

リフォームのプランや材料選びの際には、メリットとデメリットの両面を説明してもらうことが重要です。デメリットを理解した上で、メリットを最大限に生かしたリノベーションプランを実施をすれば、完成後も快適で満足のいく暮らしができるでしょう。

想定していたものと違った

見積もりの数字には納得できたし、希望通りなのに、完成してから思いがけないデメリットが出てきた、というケースも多々あります。これは、さまざまな原因が考えられるのですが、発注の際にどのようなやり取りを業者としたのかを確認するところから考えてみます。

初期の業者選びのところまでさかのぼってみましょう。業者の評判もよく、見積もり金額に納得できたとします。しかし、その業者の評判は、どの部分を評価したものだったのかをしっかりと見極める必要があります。人はひとりひとり、重視する「良い」と思うポイントが異なるからです。

評価するポイントの例


  • 費用が安い!
  • 工期が早い。サッサと出来る
  • 過去の実績に魅力がある
  • デザインがかっこいい
  • スタッフのマナーや応対に好感が持てた

など

とにかく安いのが一番!と費用を重視する人が、デザインやサービスを重視している業者に依頼しても価値観は一致しません。逆もまたしかりで、クチコミでの 「良かった」 は必ずしも万人受けを約束されているものではないのです。

業者の企業形態・地域性・得意分野もそれぞれ異なります。自身の価値観に合った業者であれば、発注したものと完成したものが違うという確率は低くなります。

こんな業者にも要注意

そのほか、「何でもお客様のいう通りにします」と言いなりになる業者や、「私たちプロの意見を優先すれば問題ない」と高圧的な態度の業者にも注意が必要です。「何でもお客様のいう通りの業者」は、「お客様第一で遠慮深い業者」とは違うもの。プロの意見をゴリ押しするのと、「職人気質で難しい業者のぶん頼もしい業者」もまったく違うものです。

例えば出窓をリノベーションに組み込みたいという希望があったとしましょう。客からすれば、出窓を作ることによって部屋を明るくしたいという目的があるのですが、実は出窓よりも、高窓のほうが効果的の場合もあります。

また、オシャレでカワイイから付けたいという目的も多いのですが、外観とのバランスも考えて検討する必要があるのです。目的によっては出窓よりもっと安く効果的なリフォーム方法があるかもしれません。

このような客の目的を深く掘り下げず、ただ言われたことをするだけの業者は、パフォーマンスに欠ける業者ともいえます。トラブルが出たら、「お客様の言った通りにしたんだからうちは悪くない」と責任転嫁する事も考えられます。

逆に自分の意見ばかりを勝手に押し付けてくるような業者は、不満が残るリノベーションになる傾向が高いです。プロ意識が高いならまだしも、高圧的な態度の割に職人とは思えない雑な仕事をされることもあります。高圧的なのは、客に文句をいわせない悪徳業者である可能性もあるのです。

良い業者は、客の希望に早い段階で気づこうと努力するもの。あとから「こんなはずじゃなかった」という事態にならないように、しっかりと意見交換をすることが大切です。

業者の見極めポイント


  • 予算は目的に合った工事提案によるものか
  • 自分が求めているサービスの質を備えているか
  • 見積書の詳細を詳しく説明してくれるか
  • 納得のいく保証内容か
  • 担当者のマナーどうか
  • 過去の実績はどうか

意見交換を積極的に行い、よりよいマイホームプランを考えましょう。

失敗しない為にやるべき事とは 

リノベーションで後悔しないために、できることは多々あります。

  • リノベーションセミナーや現場見学会へ行く
  • 物件を見て調査
  • ショールームを見学してみる
  • メールで窓口に相談

といったものです。

いざ、この家にする!と決める前に、いろんな実例を目で見る事が、後々の財産になります。見積もり前の内容や印象で、相性の合う業者を見つける事につながるだけではなく、セミナー参加により得られる特典も非常に多くなります。他の人のリアルな声も聞くことができ、予算だけでなく、本当に役立つ口コミや説得力のある体験を得ることができます。

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