解体を依頼するときの注意点

解体を依頼する時の注意点

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誰も住まなくなった家が、全国的に増加しています。地方では需要や交通の便の関係もあり、家じまいとして家を売りたくても、売るのが難しくなってきています。
そのまま放置しておくわけにもいかないので、いよいよ売れないとなったら、解体処分することになります。しかし家の解体を依頼するときにも、注意しなければならないポイントがいくつか存在します。

家を解体する時に最も注意してもらいたいのが、業者選びです。一括サイトで解体業者を検索して見積もりすると、業者によって価格はピンキリ。相場より10万円も安い価格を提示してくる業者さえも、ざらに見つかります。
しかし、値段の安さだけで解体業者を選ぶと、あとで後悔することになりかねません。というのも、家の解体には様々な問題が起きがちだからです。

事例

例えば弊社が売却した不動産でも、解体業者によって想像もしないようなトラブルが発生したことがあります。

その物件は借地権付きの建物で、依頼者から相談を受けた弊社が不動産会社に売却しました。不動産会社はその既存住宅を解体して、新築の家を建てる予定でした。しかし決済間際になって、買い主から借地権の引き渡しを2ヶ月延期してほしいという申し出がありました。

依頼者も急いでなかったので了承したのですが、その保留期間の間に、隣の家の住人から弊社に解体業者に迷惑しているというクレームの電話が入ったのです。

これはまさに、寝耳に水。何しろまだ引き渡ししてない物件なのですから。慌てて現地に飛んでみると、建物はすでに半分壊されていました。どうやら、不動産会社と解体業者で引き渡しの延長に関する連絡が上手くいっていなかったようです。

依頼者本人はその家には住んでいないので実際的な問題はないのですが、法律的な問題が出てくる可能性があります。というのも、借地が更地になると借地権がなくなるため、売却できなくなってしまう恐れがあるのです。今回は早めに気がついたので何とかなりましたが、解体現場も確かにひどい。これでは、クレームになるのも無理はありません。

この解体業者は弊社とは関係がないのですが、このような解体にまつわるクレームは決して珍しくありません。よくあるのが、解体工事中の隣家への損害。振動で家のタイルが欠けたとか、車やブロックに傷をつけてしまったとか…。

そうしたトラブルが起きたときの対応一つで、ご近所との関係にヒビが入ってしまうことも珍しいことではありません。そのため、ただ単に安い見積りを出してくる業者ではなく、しっかりとした解体業者を選ぶことが大切なのです。

そこでここでは、私たちが実際に経験したクレームや解体業者の起こした問題をもとに、しっかりとした解体業者を選ぶために必要なことを解説します。


家の解体を行う業者には、建設業許可証または解体工事業登録といった正式な許可や登録が必要です。
また建設リサイクル法によると、延床面積が80㎡を超える家を解体する際には、事前に自治体に届け出なければなりません。さらに解体工事のために道路で作業を行う必要がある場合には、警察署で道路使用許可も得る必要があります。

このように、家を解体するためには様々な申請・許可が必要なのですが、中にはそうした登録をしていない「モグリ」の業者も存在するのです。
もちろん弊社は無許可の解体業者との付き合いはありませんが、そうした業者に解体をお願いして困ったことになった話を耳にすることがあります。

例えば、契約書を交わさずに口約束だけで依頼を引き受けた後、途中で姿を消してしまう業者や、さまざまな理由をつけて見積もり金額よりも高い料金を解体後に請求してくる業者などなど。

積額が安いからといってモグリの解体業者に依頼するのは、自らトラブルを招くようなもの。絶対にやめてください。正式な許可を得ている解体業者なら、自社のホームページにその旨を必ず記しているはずです。必ず確認するようにしてください。


近隣トラブルを避けるためにも、しっかりとコミュニケーションを取れる解体業者を選びたいものです。先ほどの弊社の事例でも、隣家の住人が私たちに連絡をしてきたのは、解体現場で働く人が全員外国人で話が通じないからでした。

もちろん、外国の方が解体現場で働く事自体は全く問題ないのですが、責任者と連絡がつかないのは困ります。ただでさえ解体工事期間中は騒音や振動、粉塵、周辺道路の使用、ゴミなどで周辺には迷惑をかけてしまいます。そのため、解体前に必ずご近所に挨拶まわりをするのですが、それさえも怠る解体業者もいるのです。

Web上だけで判断するのではなく、見積もりを取った後は必ず担当者と直接、もしくは電話で連絡をして、しっかりとコミュニケーションが取れる業者かどうかを見極めることが大切です。


家じまいで困るのが、残置物です。家に残された荷物を整理するのも、片付けるのも一苦労。
それであれば、いっそのこと解体業者に全部お任せすれば良いのです。貴重品だけ持ち帰り、後は全て業者に処分してもらう。と言うのは簡単ですが、ここでも業者選びを間違えると、とんでもないことになります。

業者の中には、解体工事の際に発生したゴミや廃棄物を不法投棄する不届き者も実際にいるからです。そうした浮いたお金を着服するわけですね。
不法投棄は当然ですが、犯罪行為。
悪徳業者が罰せられるだけなら良いのですが、工事を依頼した側も責任を問われることがあります。
そのため、廃棄物を適正に処分してくれる業者を選びましょう。不法投棄を防ぐために、マニフェスト制度というものがあります。

ここで言うマニフェストとは、解体工事で発生するゴミの収集・運搬・処理のそれぞれの工程において、担当者が記録・署名する管理票のことです。
マニフェストは作成が義務付けられているため、真っ当な業者なら請求すれば必ず写しを提出してくれます。
解体業者を依頼する際には、事前にマニフェストの写しをもらえるかどうか確認すると良いでしょう。


どれだけ丁寧に工事を進めても、解体時の事故はいつでも生じえます。特に最近は気象が激甚化しているため、突然の突風や台風によって隣家に被害を与えてしまうことも想定しなければなりません。

解体工事が原因で隣家に被害を及ぼした場合、通常であれば解体業者が加入している損害賠償保険で保障されます。しかしもし、業者が保険に未加入だったら?大きなトラブルになるのは明らかですよね。そのため、何かあった時でもしっかり対応してくれる解体業者を選ばなければならないのです。

もちろんのことですが、被害を及ぼすことのないように解体工事前にしっかり養生すること、施工前に写真で記録を取っておくことなどの対応が必要なのは言うまでもありません。家の解体には周辺への対応もしっかりした上で、何かあった時にも素早く対応してくれる業者に依頼したいものですね。

解体業者を選ぶときには、上に挙げたような点をしっかり確認する。その上で業者を選ぶわけですが、納得できる業者を見極めるためには、以下のような情報・知識も不可欠です。

  • 解体工事費の相場
  • 口コミなども含めた第三者の評価
  • 解体に関するある程度の知識
  • その他、業者に関する必要な情報

自動車を買う時にも単に値段だけではなく、値段の相場や性能、周囲の評価などをしっかりとリサーチしますよね。解体業者選びも、全く同じです。

安心できる業者を見極めるためには、正しい情報を元に、しっかりとした調査が大切です。とはいえ、ただでさえ考えなければならないことが色々と多い家じまいで、解体業者についてまで調べるのは本当に面倒ですよね。さらにいざ解体業者を選ぼうとすると、それも一苦労。
家の解体を依頼する際には通常、次のようなステップを踏むことが多いはずです。

  • 一括サイトや解体業者のHPを見て業者のあたりをつける
  • 数社から見積もりを取る
  • 担当者と日時や予算などを打ち合わせる
  • 契約する

可能ならば、こうした面倒なことからも開放されたい。

では、どうするか。不動産のプロに相談すれば、解体業者選びのもろもろのストレスから開放されます。自動車選びに困ったら、車に詳しい友人や専門家に相談するのではないでしょうか。
業者選びにも困ったら、ぜひ不動産のプロに相談なさってください。例えば弊社が提携している解体業者ならば、周りに迷惑をかけるようなずさんな工事をすることは絶対にありません。

もしかすると、一括サイトで調べるとその業者より10万円安く解体してくれる業者が見つかるかもしれません。でもその結果、近隣とのトラブルが生じたらどうでしょうか?解体後の整地も含め、工事自体が満足できるものでなかったら?たとえ最安ではないとしても、安心して任せられる業者を紹介してくれるプロに相談することが一番の早道ではないでしょうか。

さらに弊社が提携している解体業者は全国的なネットワークを持っているので、地元で安心して任せられる業者を紹介することも可能です。もちろん、解体時の注意点や事前に確認しなければならないこと、近隣への挨拶回りなども含めて、不動産のプロならば家の解体に関するアドバイスも与えられます。

自分では判断できないこと、決断することが難しいことは、何でも不動産のプロに相談する。これが、ストレスのかからない家じまいのための大原則です。

家の解体を依頼するときには、値段だけで決めてはいけません。
正式な許可を得ている業者か、しっかりとコミュニケーションが取れるか、廃棄物の処分や万が一の時の対応も問題ないか、といった点を確認することが大切です。

また家の解体と言っても、ただ単に壊せばいいというものではありません。
ご近所への挨拶まわり、工事の時間帯や緊急時の連絡先の確認、騒音対策や毎日の掃除の有無など、解体にまつわるあれこれをしっかり任せられる業者でなければなりません。

弊社が紹介する解体業者ならば、こうした点でも心配は不要です。
自分で解体業者を選ぶことに不安を感じるなら、ぜひ不動産のプロに相談なさってください

結論

家の解体を依頼するときには値段だけではなく、安心して任せられる業者かどうかを確認する。業者選びに困ったら、プロに相談する。

家じまいで面倒なことは、可能な限りプロに任せる。解体業者選びにも、ぜひプロに相談して、安心して任せられる業者を紹介してもらってください。

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